訳注:このWAI-ARIA 1.0仕様の後続仕様として、WAI-ARIA 1.1仕様が発行されています。よって、この翻訳文書はメンテナンスしていません。

この文書の代わりに、WAI-ARIA 1.1日本語訳を参照してください。

8. 適合性

この章は、規範的である。

8.1. ホスト言語非干渉

ユーザーエージェントによるWAI-ARIAの処理は、ホスト言語の組み込み機能の正常な動作を妨害してはならない

CSSセレクターがWAI-ARIA属性を含む場合(たとえば、input[aria-invalid="true"])、ユーザーエージェントは、属性がいつでもDOMで追加、変更、除去されるセレクターに一致する(または、もはや一致しない)任意の要素の視覚的な表示を更新しなければならない。ユーザーエージェントは、ホスト言語機能のマッピングをアクセシビリティーAPIに変更してもよいが、ユーザーエージェントは、ホスト言語機能にWAI-ARIAマークアップを再マップするために、DOMを変更してはならない

8.2. DOMにおけるすべてのWAI-ARIA

W3C DOM仕様に準拠しないドキュメントオブジェクトモデルを実装する適合ユーザーエージェントは、処理はどのように要素がアクセシビリティーAPIに公開されるかに影響するにもかかわらず、著者によって指定されるようなDOMにおけるWAI-ARIAステートおよびプロパティだけでなく、ロール属性と属性のWAI-ARIAロール値に対するコンテンツ属性も含まなければならない。そうすることで、各ロール属性および、その値を含むすべてのWAI-ARIAステートおよびプロパティは、変更されない形式で文書において存在することを保証し、結果として支援技術などの他のツールがそれらにアクセスすることができる。適合W3C DOMはこの基準を満たす。

8.3. ウェブアプリケーションに伝えられる支援技術の通知

音声認識システムおよび運動障害をもつユーザーのための代替入力デバイスのような支援技術は、デバイスに依存しない方法でウェブアプリケーションを制御する能力を必要とする。WAI-ARIAステートおよびプロパティは、リッチインターネットアプリケーションコンポーネントの現在の状態を反映する。ウェブアプリケーションは、これら代替入力ソリューションをユーザーが効果的に直接制御することができない標準入力デバイスに依存せずにアプリケーションを制御することを可能にするため、必要な変更をウェブアプリケーションに通知する支援技術のための能力が不可欠である。

ユーザーエージェントは、変更がシステムアクセシビリティーAPIにおけるステートまたはプロパティに発生する際に、ウェブアプリケーションに通知する方法を提供しなければならない。同様に、ユーザーエージェントまたは支援技術からの変更要求を通知する場合、ウェブアプリケーションの著者は、それに応じて、ウェブアプリケーションを更新すべきである

注:多くのステートおよびプロパティは、デフォルトのアクションイベントに応答することによって、既存のアクセシビリティーAPIを通じて支援技術で変更することができる。たとえば、タブパネルにおけるタブのaria-selectedステートは、要素のデフォルトのアクションをトリガーすることによって変更することができる。

8.4. 適合性チェッカー

任意のアプリケーションまたはスクリプトの文書検証の適合性や妥当性は、この仕様で規範的な著者の要件のすべてに対して試験を含むべきである。与えられた要件のための試験の場合、適合性チェッカーは、著者が"MUST"要件が満たされない場合はエラーを発行しなければならず、かつ著者"SHOULD"要件が満たされない場合に警告を発行しなければならない